わ で始まるメディカルハーブのご紹介です。
このページは、ハイビスカスが、2011年6月から現在(2014年8月4日)に至るまでの間、
「ハイビスカスのブログ・メディカルハーブのよもやま話」と題して、
http://hildesroom.cocolog-nifty.com/blog/ ページに投稿したブログの記事です。
新ブログページの開始に当たり、過去にお披露目したメディカルハーブの名称(英名)、一般名称・・を、「あ」~「わ」に分類し、掲載したものです。
ワームウッド(ニガヨモギ) その①
(第128話 2012/03/16)
今回は、ワームウッド➡Wormwoodを語ってみようかと・・・
Wormwoodといえば、ニガヨモギもそうなんですが、
“クソニンジン”(かなり・・インパクトが強い名称!)という植物も
Wormwood(Sweet/Qinghaosu)といいまして、ちょこっとややこしい感があります。Wormwood(ニガヨモギ)の方はキク科の植物で、食薬区分でいったら非医薬品、表示は“クガイ”、別名が、ニガヨモギとかワームウッド、使用部位は茎枝になってるのですが、片やWormwood(Sweet/Qinghaosu)=クソニンジンは、同じキク科の植物でも、食薬区分上は「医薬品」、表示が“オウコウカ”、別名がクソニンジン、使用部位は帯果、帯果枝葉、日本では食用にはできないもの!マラリアの治療に有効と言われておりますが、学名がArtemisia annua L. 漢方に詳しい方なんかは”セイコウ(青蒿)を思い出されるかと思いますが・・・まぁ・・こんなのもありますよって事で。御紹介したまでなんですが、混同されないようによろしくお願い致します!では、さっそく・・・と言っても、どっから話せばいのやら?まず、ヨモギの話からいこかな~。
<ヨモギ>の、冬から春早くに生える若葉(綿毛の生えた新芽)をモチグサと言って、笹団子や草モチに入ってたり、テンプラにして戴くとか青汁に入ってたり、コスメ分野では石鹸にも配合されたり、お灸のもぐさにも使われてたりと、様々な方面で用いられております。このヨモギを漢字で書くと「蓬」、学名がArtemisia princeps、科・属名:キク科・ヨモギ属となっております。和名は”かずさよもぎ”とか”もぐさ”、生薬名が”艾葉(ガイヨウ)、ハーブ名はマグワート(Mugwort)。ヨモギ属は大家族・・・何処にでも見られるし、種類も多い!「蓬」を、他の名称で調べていくと、<Southernwood(サザンウッド)>学名:Artemisia abrotanum(アルテミシア アブロタヌム):西洋河原人参(セイヨウカワラニンジン)とか、キダチヨモギとも。
<Wormwood(ワームウッド)>
学名:Artemisia absinthium(アルテミシア アプシンジウム):苦蓬(ニガヨモギ)、生薬名が苦艾(クガイ)と、こんな風に紹介されているんですよね~~ホント・・「蓬」と、ひと言で言っても、学名を漁ると・・出てくる・出てくる・・・・うじゃうじゃ出てきてしまいますが、今回のテーマのWormwood(ワームウッド)に到着致しました~~!ワームウッドのワームとは、「虫」のこと、昔は、駆虫・毒消しに使われたんだそうですよ。
<Wormwood(ニガヨモギ)>
学名: Artemisia absinthium
和名: ニガヨモギ、クガイ、ワ―ムウッド
科名: キク科
使用部位: 葉と花をつける先端部
有効成分: セスキテルペンラクトン類 (アブシンチン、アナブシンチン、アルタブシン、アナ
ブシンなど) 、リグナン類 (エピヤンガンビン、セサルテミンなど) 、フラボノイド類 (アルテ
メチン など) 、樹脂、有機酸、精油(0.2~1.7%):(α-ツヨン、β-ツヨン)
Artemisia absinthium:原産はヨーロッパ及びアジアの乾燥地帯。学名のArtemisia:アルテミシアは、BC4世紀頃のペルシャ王妃アルテミス(←この方は、医術の心得があった方・・)であるとか、ギリシャ神話の女神さまのアルテミス(=ローマ神話ではディアナ)(←この方は、お産で苦しむ女性を安楽死させたり、結婚したがらない処女神だったそうな・・・・)風な、まつわるお話があるのですが、前者の方が有力だと伺っております。
期待する効果と致しましては、食欲増進と胆汁分泌促進なのですが、含有する“ツヨン”の毒性が問題で、精油を含まない水溶液とか抽出物を用いる必要があります。実際に、ハイビは口にした事がありませんので、おススメは致しませぬ(・・・御紹介だけという事で・・・)残念!参考程度にお聞きいただければ・・・と思いま~~す。投与方法として、浸剤を(水(50mlに乾燥ニガヨモギ1~1.5gを入れて抽出した液)食欲不振には食前30分前に、消化不良とか胆嚢疾患には食後に摂取するのが良いらしい・・・。
安全性は・・クラス2b(妊娠中に使用しない)、2c(授乳期間中に使用しない)、2d注釈にあるような他の特定の使用制限がある)となっております。妊娠中に使用が禁止という事は、子宮収縮作用、通経作用があるためで、授乳中も使用禁忌って言われるのは、ツヨンなどの毒成分が含まれているからなんですよね。ツヨンという成分の毒性は?というとね、中枢神経毒と言われておりまして、α-ツヨンは哺乳動物の主に肝臓と脳で、β-ツヨンは中枢神経毒として作用するんだそう・・・・α-β-ツヨン混合物の経口LD50は、ラットでは192mg/kg、マウスでは230mg/kg、モルモットでは395mg/kgだったという報告があります。
(↑cf : European Scientific Cooperative on PhytoTherapy(ESCOP) monographs
on the medicinal uses of plant drugs. Absinthiih herba(wormwood)
Fascicule 4.UK,1997)。
GABA(γ-アミノ酪酸)?オボエテルっかな~抑制性の神経伝達物質ってヤツね@最近では、自律神経障害に起りがちな精神症状・・怒りっぽいとか、不眠だとかイライラ・・・などの緩和に効果がある事が解かってきてるんですけど、延髄の血管運動中枢に作用して、血圧を降下させる作用も認められているし、脳の血流を改善し酸素供給を増加させる事によって脳細胞の活性化に一役かってるもんだけど、ツヨン毒は、このGABAレセプター塩素イオンチャンネル遮断剤と思われております・・・・GABAが働こうとする所を邪魔するっていうんですか~~@大元が断たれちゃう★っていうか・・・脳細胞の危機を招いてしまうわけね!こんな恐い事が起ってしまうんですけど・・・・そう言えば、ニガヨモギの入ったお酒で、有名な話あるんですけど・・・知ってる?アブサンというリキュールの話、薬草酒なんだけどね、この酒の毒性は、アブサン中毒症なんていわれててね・・・・話せば長くなりそうなので、lここら辺で失礼しようと思うんですが・・機会があったこの続き・・語らしてもらおっかな~~~ じゃまたね~
ワームウッド(ニガヨモギ) その②
(第129話 2012/03/23)
ニガヨモギが出てきたら無視して通れない話(別に無視しても良いんでしょうが・・・)薬草系リキュールに、アブサンがありまして(知ってる?)、19世紀の終わり頃、パリの芸術家とかとかとか・・・が、こよなく愛して飲し、挙句にアブサン中毒になって朽ちていった話は有名アブサン・それ自体が描かれてる(絵画)ものでハイビが知ってるものは、ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)さんの「カフェのボレロ―氏」とか、ゴッホ(Vincent van Gogh)さんの「アブサンのある静物」なんけで見る事ができるんですよね・・・グラスに継がれた溶液は、どちらも薄緑色しているそうなんだけど、う~~んチットばかし厳しいかもぉ~( ̄д ̄)どうも、緑色には・・・ねぇ~見えないんじゃないのん?
アブサンにまつわる話で、他に印象に残ってる芸術家で思い出されるのは、詩人のランボー(Arthur Rimbaud)さん、作家のモーパッサン(Henri René Albert Guy de Maupassant)さんかな?モーパッサンは直接の死因は梅毒と言われているけど、精神病院に入院した裏には、アブサンに侵された認知症(?)があったと記憶しているし(←間違ってたらごめんなさい)。若いうちに天才詩人とまで言われたランボーさんは「賢明な巡礼たちよ 緑の列柱のアブサンでも手に入れよう」なんて言う“詩”(←堂々とアブサンをウタッテル)を残しているくらいです、それと、もう一人いたランボーと重なってしまう詩人(ハイビの中でですが・・・)ヴェルレーヌ(Paul Marie Verlaine)**この方も確か、アブサンの話に登場する方だったと記憶してます・・・・・なんで、こんな事を言い出したかというと、ハーブの入ったリキュール薬草系リキュールの事をチョコット語ってみようかってなコトデ~~~ヒトツヨロシクです。
アブサンが、成分のニガヨモギのツヨンの幻覚作用から、19世紀初めにスイスで、その後フランスで禁止された為にニガヨモギ以外の薬草としてアニスをメインにした“ベルノー”というリキュールが、次いで、アニス・リコリスがメインの“バスティス”が作られるようになったそうんですけど、そもそもバスティスの語源が、フランス語の「・・・似せる」からだそう・・今尚生きている薬草酒の起源が中世の修道院にまで遡る物もたっくさんありますしね・・・・禁止されたアブサンですか~今では、製造の過程で、ツヨン成分を除去して安全な品として生まれ変わってるそうなんですが・・・(←ホントかなぁ・・・って感じなんですがねぇ・・・←ハイビが、こな風に言ってた事は内緒にね~~シィ~~~)アブサンに入っていた薬草には、どんなものがあるか?というと、大体10種とも、15種とも言われるハーブやスパイスが混合されているんですけど、地域性なのか、入ってる物がマチマチなので、ピックアップしてみましたよん。
代表的な所では、
ヒソップ(和名:ヤナギハッカ・学名:Hyssopus officinalis)とか
メリッサ(=レモンパーム・和名:セイヨウヤマハッカ・学名:Melissa officinalis)、次いで、
アニス(和名:アニス・学名:Pimpinella anisum)、
アンジェリカ(和名:ヨーロッパトウキ(西洋当帰)・学名:Angerilica archangelica)、
フェンネル(和名:ウイキョウ(茴香)・学名:Foeniculum vulgare)、
スターアニス(和名:トウシキミ、ダイウイキョ(大茴香)・学名:Illicium verum)、
パセリ(和名:パセリ・イタリアンパセリ・学名:イタリアンパセリPetroseilinium crispum)、
コリアンダー(和名:コエンドロ・学名:Coriandrum sativum )、
カモミール(和名:カミツレ・学名:Matricaria Chamomile )、
ベロニカ(和名:クワガタソウ・学名:Veronica L. )、
オレガノ(和名:ハナハッカ(花薄荷)・学名:Origanum vulgare )、
カラマス(和名:菖蒲(ショウブ)・学名:Acorus calamus var. angustatus)、
ビターアーモンド(和名:苦扁桃・学名:Prunus amygdalus var. amara)、
シナモン(和名:肉桂、ニッキ、ニッケイ・学名:Cinnamomum zeylanicum)、
クローヴ(和名:丁子(チョウジ)・学名:Eugenia caryophyllus)、胡椒(和名:胡椒(こしょう)・学名:Piper nigrum L)、
ローズマリー(和名:マンネンロウ・学名:Rosmarinus officinalis)、
イラクサ(和名:西洋イラクサ・学名:Urtica dioica)、
レモン(和名:檸檬・学名:Citrus limon) ・・・実に、ハーブ・薬草スパイスって感じですし、今の時代に語られる効果・効能を考えたら、いかにも・・「THE・薬 」ってな感じなんですよね~。
もともと、このアブサンは18世紀後半に、ピエール・オルディネールさん、この方はフランスの医師で、ニガヨモギを使った薬を作ろうと考えたのが始まりなんだそうですけど(なんでまた・・・ねぇ~)
ジュニパーの御紹介の時ちょこっと触れたかな?ジュニパーベリーの利尿作用に注目して、解熱効果を期待したお薬あったでしょその手法と同じ方法でニガヨモギを使ってお薬を作ったんだそうですよ。で、それが商品化されて(っつか、お金が欲しかったんかな~?)解熱用の薬草酒として社会に泳ぎ出したわけなんですけど~~芸術家とかとかとか・・・がこよなく愛して、陶酔していったわけね・・ハーブやスパイスを浸けた薬草酒が作られるようになったのは蒸留酒の作法が出現してからの事・・・このお話の最初にアブサンの事を“薬草系リキュール”と御紹介しましたけど、他のリキュールとは違うらしいんですよね。
蒸留酒って言うのは醸造酒を蒸留してつくったお酒で、スピリッツとも言うんだそうですけど、リキュールは蒸留酒(スピリッツ)に薬草や果実などを加えて、香りとか色をつけたお酒の事なんだそうです(知らない事だらけ・・・・知らなくってもいいっか?)醸造酒っていったら・・・う~~ん・・・ワインでしょかねワインに薬草を浸けてできたものなわけかぁ~~(勝手な想像ですが)。蒸留法は10世紀頃には既にあっから・・ハーブを使って蒸留酒を作るってのは10世紀には既に始まってたと考えられるんだけど、アブサンの話はそのず~~っと後の話って事になるわけですよね・・・・・(←ハイビの頭の中では、完結していない問題でもあります・・・別に完結してなくてもいい事ね・・・ハイ・・・)。
中世の時代に、薬として飲まれていた(リキュールの)ほとんどが、この薬草・ハーブ系のリキュールなんだそうですから、さぞっ服用後は、お顔テカテカポッポハッアァ~~ってな感じだったんではないでしょうかね。
蒸留法は、錬金術から生まれた作法、この発展無くして現代に至る科学の発展はありえなかったと言われるくらい・・・この錬金術っていうのは、もともとは古代エジプトに端を発すると言われているもの、水銀を金に変える・・(今風に言えば、原子番号80の水銀にγ線を照射して原子核の中の陽子をぶっ飛ばすと原子番号が一つ下の金(79)に変えられるといった理屈からの話でしょ)古代ギリシャの科学・哲学と結びついて・・・でも、キリスト教社会から追い出されて(←言い方がまずいかも)中世の頃イスラム世界に受け入れられて、発展してきたんだけど、そこで、アロマテラピーで重要な人物イブンシーナさん(←突然の出現をお許しください_(_^_)_。。)が出てくるんですけどね(←精油の蒸留法を考案した方)・・アロマテラピーの世界では、とっても大事な方なんですけど・・・・~(あっ (゚Д゚)また脱線しちゃった・・今は薬草系リキュールの酒の話よね・・うぅ・・・・*でも、こんな風にして、いっつも、どっかでなんかの話がダブる・・・そんな気がしてタマラナイ!んですよね~。
「世界に誇る日本のリキュール」
ハイビが、自分で梅酒を浸けるようになってから、梅酒に、勝手にネーミングしたんですけど・・・梅酒の起源は?1697年発刊の文献には紹介されていそうですが実際にはそれ以前から飲まれていたんじゃないかって考えられるとの事・・日本だって負けてませんよね~薬草(?)酒作り・・・梅の学名はPrunus mume、バラ科・サクラ属に分類されて、英名がなんと、Japanese apricot・・・ヤッホ~ィ- – – Japanese—が付いてる事に大感激のハイビであります じゃまたね~
お立ち寄り戴き・・・・ありがとうございました。